意外と知らない「服用薬」の副作用からくる口への悪影響

意外と知らない「服用薬」の副作用からくる口への悪影響 健康

当医院に来院される半数近くの方は何らかの薬を服用されています。

びっくりするのは、飲んでいる量‼
多い方だと、10種類以上を毎日服用しています。

「物忘れがひどくて・・」という方に限って薬は毎日欠かさず忘れず飲んでいるんですね!
でもこれは笑い事ではないんですよ。

薬はなるべく5種類までにおさえてもらいましょう。

日本はお薬大国なのをご存じですか?
海外でお薬を5種類以上飲んでるというと、びっくりされるのは当たり前です。
75歳以上で薬を使っている人では、1か月に1つの薬局で7種類以上の薬を受け取っている割合が26%にものぼります。
薬が6種類以上になると、副作用を起こす割合が10~15%にまで高まります。
薬は「なるべく5種類まで」を目安に、また飲まなくてもよい薬は極力飲まないようにしましょう。

服用している方の多い薬ランキング

  1. 血圧の薬
  2. コレステロールの薬
  3. 糖尿の薬
  4. 骨粗鬆症の薬
  5. 血液サラサラにする薬
  6. 痛み止めの薬

高齢者に多い薬の副作用

高齢者に多い薬の副作用には「ふらつき・転倒」「物忘れ」「うつ」「せん妄」「食欲低下」「便秘」「排尿障害」などがあります。
特に「ふらつき・転倒」は、骨折して寝たきりになることも少なくありません。

口の症状は「口渇」「舌痛症」「味覚障害・異常」「唾液不足」などです。
高齢者は、若い人に比べ、副作用が重症になりやすく様々な臓器に及びやすいのが特徴です。
うつ・せん妄などの精神的な症状が多いため、認知症と間違えられることがあります。また、食欲低下・便秘などの日常的な症状が多いため、薬の副作用だと気付きにくいことがあります。

高齢者は薬が効き過ぎる

高齢者に副作用が増える理由は、薬の数が多いことだけではありません。
薬の効き方が加齢とともに変わってくることも影響します。

薬は通常、服用すると胃や小腸から吸収され、血液によって全身を循環します。そして目的の臓器に到達しますが、これを「分布」と言います。このあと薬の効き目が現れるのです。
時間の経過とともに、薬は、肝臓などで徐々に「代謝 分解」されたり、腎臓から「排泄」されたりして効き目が消えていきます。
しかし高齢になると、肝臓や腎臓の働きが低下するため、薬の代謝分解が遅れて効き目が必要以上に長引いたり、薬の排泄が遅れて薬が体内に長く残ったりします。
そのため薬が効き過ぎてしまうのです。

高齢者の心得1 むやみに薬をほしがらない

まず「むやみに薬をほしがらない」ことです。医療機関は病気や健康の相談に行くところであり、けっして薬をもらいに行くところではありません。

高齢者の心得2 若い頃と同じだと思わない

子どもには子どもに適した薬の処方があるように、高齢者にも高齢者に適した処方があります。体の状態も薬の効き方も若い頃とは違うことを念頭に置きましょう。また、若い頃とはちがい完璧な治療は難しくなります。薬もほどほどでよいので安全を第一に考えた薬の使い方が大切です。

高齢者の心得3 処方された薬は きちんと使う・自己判断でやめない

けっして「薬を使うな」ということではありません。薬は正しく使えば必ず治療や生活の質の向上に役立ちます。大切なのは「自己判断でやめないこと」です。薬をのみ忘れたり、勝手にやめることによるトラブルも非常に多いので、絶対に守りましょう。

高齢者の心得4 他に使っている薬は必ず伝える

お薬手帳には自分の薬が記録されるので、1冊にまとめておいて受診ごとに見せることがすすめられます。かかりつけ薬局やかかりつけ医をもち、自分の病気と薬をすべて把握してもらうのもよいでしょう。